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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :12/03/18:17

02031444 なんでそうなるの?

自衛隊には何のためにやるのか理解できないことが多々あります。

“ステルス技術実証機”が2月に飛行すると機の全体像が公開されましたが、これもまたよくわからない存在です。マニアなのかエンジニアなのかわかりませんが、お漬物メーカーのような名を付けて持て囃していました。

筆者が現役時代、某メーカーに試作を依頼した物の検査などにしばらく行かされていましたが、メーカーの技術者から雑談で「防衛庁(当時)は研究開発費は出してくれますが、我々が造ったものは買ってもらえないんですよね~」と言われたことがあります。

どういうことかというと、開発した製品を全国の部隊に配備するには“予算”が足りず、スペックダウンした物を自衛隊は買うということなのです。研究開発費を出して一流品を造らせても、実際に買うのは二流品、なかには三流品ということなのです。


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X-2の型式を与えられ、2月に初飛行するようですが、三菱重工さんMRJを頑張った方がいいのではと老婆心から言わせてもらえば心配です。

マニアではないので、この日本版ステルス機を見て不思議なところがあります。

まず、小さい! 次に機体後部下面にベントラルフィンが付けられていること。そして、キャノピーが期待の湾曲と合っていないなど、ちょっと見だけでもわからない点が浮かびます。

F-2戦闘機の後継となる国産戦闘機開発に用いるデータ収集が目的の実証機であることは理屈では理解できます。

金をかけてわざわざ造っておきながら、データを集めて“外国戦闘機をライセンス生産します”では納税者に対し申し訳ないとは思わないのでしょうか。

技術的な面から言えば、ステルス形状の機体に、国産エンジンを搭載し、小型の機体から高運動性・ステルス性の技術実証は理解できます。個別に研究されてきた技術要素を一つの機体にまとめ、システムインテグレーションとしては理解できます。実機を飛行させ、ソフトのノウハウを得ることも理解できます。一方で、ステルス機のデータを周辺国が配備した場合に防空体制整備のために役立つことも理解できます。

F-35を導入するため、日本はステルス技術は不要との見方もあるでしょうが、F-35は日本にステルス技術が無いために有事となれば様々な問題が出てくるのは明らかです。

しかし、国産ステルス戦闘機を開発する叩き台とするには、実証機は問題点が多過ぎます。

機体が小さいということはエンジンも小型となり、超音速巡航はできないでしょう。小型であるため運動性は良いと思われます。小型であるため、ステルス機の必須であるウェポンベイが小さくなり、搭載武器が限られてしまうことになります。

ステルス戦闘機を開発するのであれば、全く別次元の機体を一から設計しなければならなくなります。無駄です!

ベントラルフィン、キャノピーなど目的がよくわからないこともあり、単なる技術実証機としか筆者には映っていません。

技術的な面から、将来的な国際共同開発に参加するための「ステルス性」実証というのも理解はできますが、日本の国家戦略も無く、当然、自衛隊は依然として冷戦構造のままの思考で本土決戦思想に固執しているようでは、何のための誰のためのステルス研究なのかわからなくなります。

尖閣諸島では中国の脅威を煽り、水陸両用戦部隊・装備を急ぐ一方で悠長とも言えるステルス機開発などしている場合なのでしょうか?

中国の脅威は真実ですから、余計なことをしている暇など無いはずです。

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