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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/27/03:34

02091041 なんに使うの?

F-35が値下げ交渉されたとか、好意的な報道が少なくありませんが、ご存知の方も少なくないと思いますが空自も導入するF-35Aですが、空自はいったいなんに使おうというのか理解できません。やはり防衛省(背広組)や空自高級幹部殿考えは、下々の一人だった筆者には理解できません。


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昨年923日のことでした。アメリカテキサス州フォートワースのロッキード・マーチン・アエロノーティクスの施設で、空自向けF-35A初号機のロールアウト式典が行われました。

わざわざ空幕長が出向き、微笑を浮かべてスピーチしていました。空幕長は、F-35Aが従来の航空作戦を大きく変えるもので、その能力をフルに発揮できる体制を整備していくと語りました。

これは事実です。これまで空自が運用してきたしてきた戦闘機とはハードウェア・ソフトウェアとも大きく違っており、F-35の能力をフルに発揮させるには、空自の戦術だけでなく組織、航空宇宙産業、安全保障政策にまで変更を加える必要があります。

大きな変革が必要な武器を手にしたわけですから、それを運用するトップとしては笑いが止まらないことでしょう。欲しかったおもちゃを手にした子供のようです。

しかし、空自がF-35を手にしたからといって、そう簡単に事が運ぶものではないのです。事と次第によっては、宝の持ち腐れ、無駄な買い物ともなりかねないのです。

平時の空自の最大の任務は、日本の領空に接近する国籍不明機への対処です。対領空侵犯措置です。

F-35Aですが、高いステルス性とレーダー、センサーを備えており、日本領空に接近する中国・ロシアにとり、喉から手が出るほど欲しいデータです。つまり、F-35Aが空自で運用が始まっても、平時の最重要任務にF-35Aは使われないことが考えられるのです。

さらにF-35Aの数は充分なのものではなく、機密保持の観点からスクランブルに使わない戦闘機を買う理由がどこにあるのか全く理解できません。ようするに高価なF-35Aを買っても、しばらくは遊ばせておくことになるのです。

空自のご本家であるアメリカ空軍が、当面はF-35Aを対領空侵犯措置任務に使う計画がなく、空自が買ったF-35Aをどう運用べきかアメリカ空軍をお手本にはできないのです。

秘密兵器のようなF-35Aをどう使うのか、空自の腕の見せ所といった状態ではありますが、マニュアルのないところから始めるわけですからどうなることか心配になります。

それだけではありません。

F-35Aに搭載する武器は日本国産のものは搭載できません。何らかの回収を行えば可能ですが、どこまでどう手を加えるのか、それが果たしてメーカー、アメリカ政府が承認するかどうかは全くわかりません。

F-35Aの運用に合わせ、アメリカ製の兵装を新たに買うこともあり得るのです。機体価格が下げられても、アメリカ製の兵装を買い揃え、かなり高額なものとなるのは必至です。

これが本当に対中との武力衝突を警戒する国の武力集団なのでしょうか。島嶼防衛とか奪回だとか、威勢のいい話をする自衛隊/防衛省、日本政府ですが…どこまで本気で考えているのかわかりません。

有事にはアメリカ製の兵装に頼るあまり、在庫がなくなればそれでおしまいという惨憺たる結果にもなるのです。

軍事組織が国民を騙す姿は、かつての日本陸海軍に共通するものですが、筆者はそれがまた再発しているのではと疑いたくなります。

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