元自衛官の憂い The third
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06221857 | カタログよりも中身を見よう! |
友人が防大卒、現在は自衛隊を退職した若い方と酒の席で、カラシニコフの話をしたら、こんこんと〝高性能な〟89式5.56mm小銃の話をされたそうです。
友人は素人ですが、素人相手に専門用語を出しまくりまくし立てたそうです。
現在は退職したから問題はありませんが、こんな幹部が少なからず自衛隊に存在するのだと思うと背筋に冷たいものが走ります。
そもそも「高性能」とは何を基準にしているのでしょう。武器に関する性能比較は、あくまでも相対的なものです。64式小銃と比較して「高性能」というのであればわかりますが、他国の標準的な装備であるAK74と比較することに意味はありませんし、戦力評価はできません。
さらに89式小銃は実戦で使われたことはなく、一方のAK74は実戦経験豊富であり、数々の戦訓から改良が重ねられてきました。89式はカタログスペック、AK74は実戦データとなると、89式がどれほど「高性能」だと主張する根拠がわからなくなります。
これまで、カタログデータは一流でも実戦ではボロボロといった武器は数知れず存在しています。その逆もあります。
我々は、どのような武器でも公表されているカタログスペックから性能を判断しています。ことに軍事関係者以外、いわゆるオタク系の世界ではこうした論争が繰り返されています。
でも、よ~く考えてみると、国の技術の結晶でもある武器のカタログスペックをバカ正直に公表している国などあるのでしょうか?
武器のデータをバカ正直に公表することは、敵対国・仮想敵国に手の内をさらすことであり、自分で自分の首を絞めるようなものです。
ですから、常識のある軍事関係者はカタログスペックをまず疑ってかかります。日本だけでなく万国共通です。なぜなら、軍事に関し公表されるデータは、ほとんどが下駄履きか三味線弾きだからです。
実戦でのデータがどれほど重要か、それは東日本大震災での自衛隊の緊急展開が証明しています。実際に10万人の展開は不可能ですが、それをやってのけたことは日本に対し侵略的興味を抱く国家にとり驚異的な数字です。それを即時に成し遂げたことは、日本という国家にとって重要な抑止力のファクターとなりました。
この防大卒の元自衛官が、89式小銃の試験・評価に携わったのなら、89式がいかに優秀な武器なのかご拝聴しますが、一介の元自衛官がどれほど89式が優秀な武器であるかご高説を垂れたところで何の説得力すらありません。
K・Iなる軍事ジャーナリストがいます。自衛隊を褒め称え、自衛隊の装備品まで高く評価し多くの著書まで出しています。空自幹部学校の講師まで勤めているそうですが、こうした盲目的な評価をする人間を自衛隊に関わらせるのは大問題です。
理由はこれまでお話したとおり、カタログの中の話を世間に触れ回っているのですから、彼の存在は百害あって一利なしです。自衛隊に関わらせるなど、空自も焼きが回ったものです。でも、T神さんを輩出(排出?)した組織ですから、何をか言わんやです。
軍事オタクの方、机上の空論は大変けっこうですが、自分の国が他国から蹂躙されるような事態となった場合、どれだけのオタクの方が戦おうとするか興味深いものです。そうした気概の無い国など、存在する意義すら無いこともわかって欲しいものです。
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