元自衛官の憂い The third
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07071156 | ガセネタ? 元空将殿の勇み足 |
私はこのニュースに接して、とても気分が悪くなりました。理由は簡単です。元空将殿の情報が事実か事実ではないかよりも、高級幹部OBがしゃしゃり出て話すことではないからです。〝元〟が付くOBですから、今は何の権限もない一民間人なわけです。
どこから、そんな話を聞いたのか…一民間人が得意気に話すことではないことくらい、良識を持っていて欲しいものですが、権力の階段を登り詰めた人間が得てしてこういう常識を欠いた人間が少なくありません。
私は、この問題は自衛隊にとって大きな「汚点」だと考えています。
OBとして様々な現場の話が聞こえてくるのは事実です。現場からは下手に愚痴も言えず、事情を理解してくれるOBだと話しやすいために情報が洩れてしまうのです。
私自身、そうした話(情報)を耳にすることもありますが、絶対の口外はしません。私が口外したことで、迷惑をかけてしまう恐れもあり、安易な情報の公開は浅薄な人間の行いでしかありません。
元空将殿の話には不可解な点があります。戦闘機パイロットでもない私でさえわかることです。
なぜ、戦闘機同士が接近しているのに、対敵行動をしたのかということです。現代の戦闘機では、AAM(空対空ミサイル)による攻撃に始まり、AAMで撃ち漏らした敵機に対しドッグファイト(空戦)へと流れていきます。
レーダーが未発達で、遭遇戦が主体だった時代なら、今回のようなことが起きても不思議はありませんが、ミサイル時代でわざわざドッグファイトを挑むことなどありません。
嫌がらせだとすれば、レーダーでロックオンすればそれで十分なはずです。それだけで「敵意がある」と相手に認識させることができます。
でも、仮にそれをやったとしたら国際問題になるのは目に見えており、臨戦態勢下になければ避ける行為です。中国海軍が、しでかしましたが中国海軍同様、中国空軍もそうした教育が徹底されていない可能性は否定できませんが、ならばなおさらなぜ、レーダーを使わなかったのか疑問が残ります。
今回の元空将殿行為について、事に真偽はともかく、何ら情報のソースが検証されていないことに危機感を感じます。
事実だったのか、そうではなかったの。何を意図して、こうした話を公にしたのか誰も検証していません。私は戦後世代ですが、軍人や右翼が政治に口を出し、メディアは売上欲しさに国民を煽動し戦争を煽ったかつての日本を見るようで反吐が出そうです。
田母神でもそうですが、軍人は政治にはOBとなっても公に発言してはならないと私は考えています。
ある程度匿名性が確保されるため、私はこうしてブログを使っていますが、かつての階級を利用し世論を誘導することは厳に慎むべき行為だと認識しています。
なぜならば、軍人はいわば社会病質者です。ソシオパスです。それは、軍人として持たなければならない危機管理に対する認識が昂じてしまった結果だと私は考えます。
そうした自分の置かれた環境を理解せず、世間一般の皆さんと同じレベルで話をすることは制服を脱いだ後ではしてはならないことなのです。
理由は簡単です。置かれた状況が違い過ぎ、現実にはジェネレーションギャップに近いものであるのに、一方的な情報の提供は受け入れる側のレベルが適していないからです。
元空将殿、気持ちはわからないわけでありませんが、勇み足であることは変わりはありません。反省して欲しいものです!
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