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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/28/19:00

01051625 不思議な国

アメリカに次ぐ経済大国であった日本が、中国に追い越され今では世界第3位となってしまいました。

経済大国でありながら、日本には基本国家戦略、まともな軍事的国防戦略もありません。このことが国益を損ない、国民に不必要な負担を強いています。

自衛隊には先天的に「高級兵器志向(嗜好)」という病気を抱えています。

北朝鮮によるミサイル/核により首の皮一枚でつながったイージス艦、90式/10式戦車、F-35と国民の「ブランド志向」にも似た感覚を持っています。


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イージス艦はアメリカに次いで導入した国であり、保有する艦も世界で2番目の6隻を保有しています。

導入当初、海自/防衛庁は「シーレーン防衛」を掲げていました。

シーレーン防衛とは、日本の資源輸入ルートとしての海上交通路防衛を目的とするものです。

不可解なのは、シーレーンを防衛するのであれば何よりもまずソ連太平洋艦隊の外洋への進出経路を封鎖すればいいことです。宗谷・津軽・対馬の3つの海峡を日本の統制下に置けば、シーレーン防衛の第一段階はクリアできます。

日本が有事となり、アメリカの来援を待つ間に有効な作戦であることは間違いないはずです。

3海峡、チョークポイントを抑え、(当時)ソ連太平洋艦隊を封じ込め、次の段階でイージス艦等の脇役を揃えるのが妥当な考えです。

国防戦略を持っていれば、どちらが主役で、どちらが脇役かハッキリするはずですが、それを見誤るのは国防戦略を持たないからこそ起きたことです。

これと全く同じことが昨年起きています。

陸自がAAV7の導入を決めましたが、AAV7を積んで運ぶべき「フネ」が無いにもかかわらず買ってしまうという本末転倒を平然とやってのけるのです。

島嶼防衛に関してもそうです。「奪還」を謳いますが、奪われないようにする方策は無いかのような戦略は、果たして日本に可能なのでしょうか。

鍵をかけずに、泥棒の侵入を許して、盗られた物を取り返す算段をするという間抜けな展開ですが、なぜかそれがこの国では許されるのです。

これが、この国の「防衛戦略」なのです。

国防とは自国だけで一定の防衛力を整え完結した防衛力を整備し、それを補完するために同盟関係を結ぶのが妥当な選択です。

しかし、我が国は日米安保条約を基に国防戦略を練り上げ、基本を無視したものとなっているのです。

そんな現実を抱えながら、その現実を無視したまま前に進んでいるのです。これほど不確かで、不安なことはありませんが、誰もそれには目を向けていません。それが、この国の現実です。

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