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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/29/13:38

04031150 吠えない盲導犬

事情を知らないヒトは訓練を受けた盲導犬は、吠えないと思い込んでいます。

しかし、正確には無駄吠えをしないように訓練されているだけで、盲導犬が吠えないというのが誤解です。


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安全保障関連法が329日に施行されました。国会で議論されたときは、「戦争法」「徴兵制復活」と知恵を絞って様々な批判が展開されました。

いざ、施行されると拡大した自衛隊の主要任務が実際に開始されるのが参院選後と決まると、今度は先送りしたことを批判が出ています。

でも、先送りしたのは日本政府として妥当な判断だと筆者は感じています。

盲導犬で例えるならば、無駄吠えしない盲導犬に無駄吠えしろ!としつけ直すわけですから、簡単に吠えるはずはありません。

陸自で躊躇なく発砲できるのは、中央即応集団隷下部隊の限られた部隊だけでしょう。他部隊が訓練をどれほど重ねようと、これまで発砲は極力避けるように訓練されてきたわけですから簡単に変えられるはずがありません。

元アメリカ陸軍将校であるデーブ・グロスマン著『戦争における「人殺し」の心理学』に記述されていますが、戦場で発砲を命じられても、敵に向かって発砲しないというデータがあるというのです。第二次世界大戦後の調査では、80%超える兵士が敵に向かって発砲していなかったというのです。

更に、敵から殺さることようりも自分が敵を殺すことに恐怖を感じる兵士の方が多い。一般の兵士は自分が発砲するよりも、一部の好戦的な兵士を支援することを好むというのです。

自分が好戦的かそうでないかは今ではわかりませんが、銃撃戦が起きて自分が発砲する立場になってみないとわかりません。

現在、アメリカ軍では条件反射で発砲できるように訓練され、銃撃戦では躊躇なく発砲できるように兵士は訓練されているのだそうです。

日本では予算の関係で実弾で訓練する機会は多くはありません。笑い話になるほどですが、口で“バン・バン”と言いながら発砲を想定して突撃訓練をすることがざらにあります。空砲すらなかなか使えないのですから、法律が施行されたからとすぐに発砲できるようになるという発想は素人以下の考えです。

戦争ではプロパガンダが重要です。日米戦争でも、アメリカ政府は日本に対する敵愾心を国民に広めるために、“リメンバー・パール・ハーバー”というキャンペーンを展開しました。

しかし、それでもなお戦争国債が集まらず、日本軍が狂人の集団であるかのように喧伝され戦場で多くの映像が撮影されアメリカ国内で公開されました。

国際貢献を旗印に派遣された自衛隊員が、銃撃戦に放り込まれ、適切な判断ができるかどうか不安しかありません。

過渡期には様々な犠牲が出るものです。それは充分承知していますが、その命令を下した最高指揮官殿は、犠牲とどう向き合うのか、その力量が試されることにもなることをわかっていらっしゃるのでしょうか。

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