元自衛官の憂い The third
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07262117 | [PR] |
04191035 | 夏炉冬扇(かろとうせん) |
時機を失して役に立たない! 夏の火鉢、冬の扇は無用で役に立たないということわざです。
北朝鮮に対するトランプ大統領の武力行使の可能性が、かなり高くなってきています。一般には知られていませんが、1993年から1994年にかけて、クリントン元大統領が北朝鮮への軍事行動が検討されました。
どれほど可能性があったかというと、自衛隊はかなり確度の高いものとして、日本に何が起きるのか、何を求められるのか、何をしなければならないのかを具体的に検討しました。カーター元大統領の訪朝で、軍事行動寸前で回避されました。当時、もし対北朝鮮戦に踏み出せば米国では米軍5万人以上、韓国軍数十万の犠牲を出し、戦費は1千億ドルを超すと見積もられていました。
今回もかなり戦争の危機は高まっていると言えます。まともな政策を持たないまま大統領の座に就いたトランプ氏、支持率が下がれば何をしでかすかわかりません。トランプ氏の求めるもの、戦争の正当性と勝利です。それが、米国民の支持を得る最良の政策であることをトランプ氏は熟知しています。
腰が重く、何事にも無関心な我が国の外務省ですら、韓国への渡航者に情報を提示するほどですから、かなり戦争の危険度は高いと見ていると言っていいでしょう。
しかし、私は恐怖を煽るのではなく、東日本大震災以降、いまだに我が国の政府は危機管理能力を持っていないことを自ら語っているという事実、そして国民は政府以上に鈍感になっています。
菅官房長官や安倍首相が、北朝鮮の「化学兵器」について急に語り出しました。参院外交防衛委員会で、「サリンを弾頭に付けて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と述べましたが、北朝鮮は1960年以降、生物・化学兵器を生産しており、現在は十数種類の化学兵器を数千トン保有していると見られています。これは、軍事オタク界では常識です。
マスタード、タブン、ホスゲンなど何でもあり。生物兵器も保有していると見られています。異母兄暗殺に使ったほどですから、化学兵器への自信は相当なものと見られます。
それを危機が高まったと、国会で持ち出すとは、愚かにも程が有るというものです。それだけではありません。今さら、「自衛隊の現行のミサイル防衛態勢に限界がある」と懸念を示したそうですが、それでは北朝鮮のミサイル発射に際し、自衛隊にミサイル破壊措置命令を出していたのは何の意味があるというのでしょうか。
首相のミサイルへの懸念もありますが、そんな面倒なやり方よりも、日本漁船に偽装した工作船を使い、日本に持ち込んでいる可能性もあります。日本国内で散布することもすでに可能な状態になっているかもしれないのです。
弾道ミサイルの弾頭に化学兵器を搭載することは、比較的難しいものがあります。大気圏を行き来する弾道ミサイル弾頭部は、高温にさらされることもあって少なからず影響を受けます。そして、何よりも弾道ミサイル迎撃能力よりも、迎撃能力が十分であったとしても、日本の領土内上空で迎撃に成功した場合でも、少なからず化学兵器は残存し地上へと降り注ぎます。そうなった場合、気象条件によりますが相当の被害が出ることは言うまでもありません。
一部には北朝鮮を叩いてくれるトランプ様と、軽薄なネトウヨ民がいますが、相応の覚悟はできているのでしょうか?
半島の大統領候補ではありませんが、私も日本が攻撃されれば銃を取るでしょうが、こんな間の抜けた政府や官僚機構のために銃を取るつもりはありません。
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