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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/24/12:21

12051414 実は戦えない“自衛隊”

威勢のいい話は、耳にして心地いいときもあるものです。これは、自分に全く影響がなければという大前提が付いて回ります。

安倍さんの事実を織り交ぜた方便で支持が得られた「安全保障法」で、自衛隊の活動範囲が世界的になってしまいました。野党は「自衛官のリスク」などと扇情的な言葉を使い法案に反対しましたが、リスク以前に大きな問題を抱えていることを野党の誰も口にしなかったのは奇々怪々としか言えません。政治は出来レースと思っていますが、またそれが証明された気分です。


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自衛隊の抱える慢性的な問題とは、人員の不足です。公表されている数字だけを見ると、陸海空すべてが充足率として9割を超える数字が出ています。これだけを見れば、「充分」だと思われる方がほとんどでしょう。

自衛隊には16の階級があります。将官、佐官、尉官、曹、士となります。専門的な話ですが、説明しておきます。

将官とは、「将」と「将補」の2階級があります。陸将・海将・空将、陸将補・海将補・空将補と呼ばれます。しかし、「将」の中でも統幕長(統合幕僚長)、陸幕長(陸上幕僚長)、海幕長(海上幕僚長)、空幕長(航空幕僚長)の階級は「将」ですが、一般国の軍隊では「大将」として扱われますので、自衛隊では呼称を変えませんが扱いは違います。

佐官・尉官は3階級×26階級があります。ここまでが、「幹部」と呼ばれる階級です。いわゆる「士官」です。(「将校」という言葉も存在しますが、これについて後日機会があればお話します)

ここで、階級ごとの自衛官の充足率を見ると、幹部自衛官93%超、准尉(准士官)92%超、曹98%、士74%超となっています。

往年の傑作ドラマ「コンバット!」をご存知の方は50代以上だと思われますが、コンバットでは「ヘンリー少尉」「サンダース軍曹(3等軍曹)」「ケーリ上等兵」「マッコール上等兵」「リトルジョン上等兵」「カービー2等兵」「ブラドック2等兵」「「ビリーニ2等兵」「ブロックマイヤー2等兵」「ウォルトン衛生兵(後にカーター衛生兵と交代)」が分隊の編成でした。

これを自衛隊に当てはめると、ヘンリー少尉、サンダース軍曹はいても、兵であるメンバーは4名のみとなります。6名から4名と2名の欠員だけかのようですが、分隊では大きな痛手です。ちなみに、3割を超える犠牲が出た「部隊」は機能を喪失するといわれており、即時後退し補充と休養を取らなければなりません。

今でこそ東日本大震災で高い評価を受けた自衛隊であり、ネットの普及で右側に立つヒトも増えたかのようですが、現実に被災地やひいては戦場に立とうという若者は(昔から)少ないのです。

それも当然かもしれません。「軍隊」とは主権国家の象徴ですが、この国では「自衛隊は軍隊ではない」と代々の為政者の方便がいまだに踏襲されていますが、「制服で外出するな!」とお達しがよく出ました。理由は「危険だから」です。かつては守るべき国民から石を投げられ、今はまた左翼思想にかぶれた連中に何をされるかわからないからです。

防大生が嘆いていたのを聞いたことがあります。アメリカの士官候補生は制服で店に行ったらチップは出さなくてもいいと。しかし、我が国の士官候補生たちはというと…と嘆いていました。

筆者の私見ですが、だからといって制服を着用して某神社に個人、なかには集団で参拝する自衛官もいますが、これには強く反対しています。

一般に戦場、前線で戦うのは下士官兵なのです。兵の不足は大問題であるのですが、なぜか政治家はそこには目を向けません。

公務員削減を掲げ、なぜか自衛官にまで手を付ける国です。辻褄合わせが行われ、常備自衛官を減らし予備自衛官でそれを満たそうとという姑息な手段に出ました。

プロ野球でスタメンが故障したら、社会人・大学・高校の野球選手を招へいするようなものですが、なぜかそれに疑問を挟むヒトは多くはありません。

これが、今の日本の現実なのです。

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