忍者ブログ

元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

07252204 [PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • :07/25/22:04

12290919 年末に流された与太話

「いずも」を空母にする???



何末なのですから静かに過ごさせて欲しいのですが、こんな与太話でまたまた神がかり的な右翼の人たちは拍手喝采、雄叫びをあげているでしょうが、悪い冗談です。



平ボディのトラックに砕石を積んで走らせようというようなもので、かなりの時間と手間=カネがかかるのは誰の目にも明らかです。



拍手[1回]





 「いずも」改造が出る前に、F-35のメーカであるロッキード・マーティン(以下、「LM社」)が、自衛隊がF-35Bの導入の打診があったというニュースが流れました。もしかしたら…と思っていたら、案の定「いずも」改造話です。



 ニュースによれば、空母化すればF-35B10機程度搭載可能だそうで、甲板の耐熱性を上げ、スキージャンプ台を設置するかどうかは今後検討するそうです。



 注目しなければならない、メディアが取材しなければならないのは、この与太話の出どころです。



 海自なのか、それとも「俺ってグレート?」の首相殿なのかきちんとした報道をして欲しいものです。



 グレート首相が、お傍の者の与太話を真に受けて「いずも」改造をぶち上げた可能性は否定できません。



 恐ろしくなったのは、スキージャンプ台も設置せず、「離島防衛用の補給拠点など防衛目的で活用する。米軍のF-35B戦闘機の運用を想定しており、日米連携を強化することで北朝鮮や中国の脅威に備える狙いがある」というのです。



 真面目に記事書いているのでしょうか?



 例えば、離島奪還に米軍が来援してくれたとして、米軍機に補給するとは戦線のどこを想定しているのかが問題です。



 母艦から発艦し攻撃、帰路の途中に「いずも」が待機して補給を行うということになれば、来援した米軍の艦艇より前線に近いところに「いずも」が待機することになります。



 日本有事ですから、米軍より前線に立たなければならないのは当然のことですが、自前の戦闘機は当然必要になり、もっと言えば、「いずも」の10機程度のF-35Bで何をしようというのでしょう。



 傑作なのは、この記事を防衛相が否定していることです。



 となれば、この与太話はグレート首相ではなく、海幕が流した可能性がより高くなります。



 海自の元幹部に訊いたのですが、海自は諸般の事情が整えば護衛艦の予算をどんどん出すのだそうです。〝今がチャンス!〟というわけです。戦略、戦術はフネを造ってから考えるような有様です。



 私が在職した時代、陸海空の統合運用など考えてもいませんでした。通信技術など見れば明らかで、海自は米海軍対応、陸空はトランシーバーに毛が生えたような程度のものしかありませんでした。



 「いずも」空母改造には、戦闘機よりも早期警戒機が第一に必要で、空母を守る護衛艦艇(イージス艦等)が必要であり、空母打撃群を作り上げるには多くの予算がさらに必要になります。



 かつての旧海軍のように戦略・戦術よりも「大艦巨砲主義」で大和・武蔵を創出した発想が、未だに抜けてないように思えます。銃剣突撃が最良の戦術だとみなした旧陸軍にも共通するものです。



 日本人は失敗から学ぶということをしません。何度も裏切られる韓国のように、まともに付き合う必要などないのに、まともにお付き合いをしようとする。



 一方では北朝鮮に面と向かって罵倒し、何ら交渉ができる窓口すら無くしてしまっている。



 21世紀になっても、日本人は愚かというレッテルは剥がされることはないようです。

PR

+コメントの投稿+

+NAME+
+TITLE+
+FONT+
+MAIL+
+URL+
+COMMENT+
+PASS+
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

+TRACK BACK+

+TRACKBACK URL+