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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :08/28/12:53

03011043 戦闘機の緊急発進増強?

尖閣諸島周辺で活発になる中国軍機を念頭に、防衛省が空自の緊急発進(スクランブル)の態勢を見直し、これまで領空侵犯の恐れがある航空機に対し空自戦闘機2機で対処していたのを4機に増強したと公表されました。

このニュース、全くわからないのです。

さらに、発進頻度が高い那覇基地で待機する戦闘機が不足するため、航空総隊司令部(航空総隊)が全国の基地の戦闘機運用を一元化し、状況に応じて移動、待機させるなど柔軟な対応を可能にするそうです。


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2機→4機に増強という事実は認識できますが、アラート待機(対領空新案措置を行うために待機している)しているのは2機だけでなく、5分以内に発進できる「5分待機」が2機、30分待機が2機、1時間待機、2時間待機とあります。

つまり初動を2機から4機に倍増するということは、すべての待機を倍にするのでしょうか? 単純計算では初動から2時間待機まで入れると、20機が待機することになります。20機というのは、1個飛行隊の定数全機となります。1個飛行隊が丸々待機するというのでしょうか???

うさん臭いニュースです。メディアはお勉強していませんので、何の疑問もなく報道するでしょうから、報道は防衛省が公表したものをそのまま伝えられたでしょう。

となると、何を意味しているのか増強の意味が理解できません。防衛省が増強で何をしようとしているのか、わかりません。防衛省はこうしたごまかしは得意です。

年度末ですから、これを理由に来年度の予算アップを財務省にアピールしているのかもしれません。

那覇基地で待機する戦闘機が不足するから、航空総隊が一元運用するというのも理解できません。那覇基地は狭いですから、空自戦闘機が急派されても、民間機もひしめき合い、海自哨戒機他多数の航空機があるのですから、一元化して運用するのは可能なのか疑問です。

ようするに、この報道発表されたニュースの意味は全くないのです。

やはり、予算獲得が目的なのでしょうか?

誤解が多いようですが、スクランブルの回数=領空侵犯の回数ではありません。領空侵犯の恐れがある場合に行われるのがスクランブル発進なのです。

たとえば、中国軍機にスクランブル発進した場合、これまで以上に空自機が対応してくれば、中国軍機もそれに対応できる機数で対抗してくるのはわかりきっています。いわば、この対応措置は中国を煽っていることになります。防衛省は〝やる気〟なのでしょうか?

数に数で対応するのは、軍事常識では妥当なものではありません。軍拡競争で体制が崩壊した事実は、歴史が証明する事実です。日本(防衛省)がこうした目には目をの対応では、国に大きな負担を強いることに繋がる可能性もあるのです。知恵を出すべきなのに、それを怠っている証拠です。

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