元自衛官の憂い The third
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12170909 | 手の内を明かす |
「手の内を明かす」とは、弓道に由来する言葉だそうです。弓の持ち手の「手の内」に由来し、弓の持ち手の形とその技術のことだそうです。
正しい手の内に整えることにより、弓にひねりを加え、矢をまっすぐ飛ばす修正する技術だそうです。これを明かすことは、戦力に大きな影響を出すため門外不出だったそうです。
防衛省は安保関連法に基づく自衛隊の新任務として、海外での治安悪化を想定した邦人保護訓練を14~16日に初めて実施することを公表しました。安保法で可能となった任務遂行目的の警告射撃訓練も実施するようですた、報道陣に公開する訓練は「手の内を明かすことになる」として武器使用の訓練は非公開にするとのことでした。
なぜ隠すのか理解できません。
常識的に考えれば、海外で活動するのが前提ですから、日本のメディアに公開し、海外にも伝えられたとしても、将来的に衝突することになる人たちの目に触れる可能性はゼロに等しい確率です。それに、自衛隊の情報を収集するのは大陸国と半島国くらいのもので、手の内を敢えて公開することで、相手にさらなる対応を強いることに繋がります。手の内を明かすことは、マイナス材料だけではないのです。笑いものにされるのを避けているのなら別ですが…。
メディアに公表された公開訓練では、陸自中央即応集団(海外派遣で初動対応、テロ対処)、海自、空自を含めた統合部隊が参加。邦人が退避した場所が暴徒に取り囲まれた状態を想定し、自衛隊員が暴徒を排除し、退避していた邦人を輸送防護車などで安全な地域に移動させるまでの流れを確認するのだそうです。
ここまでは良いのですが、自衛隊が非致死性兵器を購入したという情報が無いので、どこまで本気なのか筆者は疑ってしまいます。
非致死性兵器とは、暴動鎮圧用のヒトを殺害する目的ではなく、暴動鎮圧を目的とするものです。催涙スプレー、催涙ガス、スタンガン、ゴム弾等です。音響兵器だけは既に装備しているようです。
暴動状態で殺傷兵器を使用することは、暴徒を刺激するだけで、行動が阻害することは期待できません。
殺傷兵器の使用は武力行使とも受け取られ、暴動どころか戦争にまで発展する可能性も生まれます。
日本政府/外務当局はそこまで覚悟しているのなら別ですが、その責任を最前線に立つ隊員たちの責任とするのは無謀としか言えません。
手の内を明かし、殺傷の意図はないことを周知徹底すべきだと筆者は考えます。
でも、笑ってしまうのはいつものことながら、輸送防護車を彼の地までどうやって運ぶのか、輸送は適宜可能ではない自衛隊の現実を無視した訓練は無意味なのですが、そこはお笑い自衛隊として理解を示すほかないでしょう。
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