元自衛官の憂い The third
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| 02151009 | 新奇性追求気質 |
「新しいもの好き」とは、新奇性追求気質と呼ばれる行動の一つですが、新しいもの好きが強い人には、以下のような性質が見られるとされています。
・衝動的
・怒りっぽい
・見栄っ張り
・浮気性
・飽きっぽい
チャレンジ精神旺盛だとも言えなくもありませんが、あまりにも「新しいもの好き」が昂じると様々な依存症となり心の病にまでなることも考えられるそうです。
F-35が空自に配備されますが、配備時期が近づき手放しで喜ぶ人が現れたのには驚かされています。リスクを全く無視し、メリットばかりに目を向ける姿は滑稽でさえあります。
空自戦闘機はこれまでアメリカ製を採用してきました。F-86Dを除き、日本国内でライセンス生産されてきました。しかし、F-35Aはライセンス生産は認められず、三菱重工が機体の最終組み立てと検査、IHIがエンジンの組み立てと部品の一部製造、三菱電機が搭載レーダーの一部部品の製造をするのみです。
これまでの戦闘機と違い、日本国内企業の参画の度合いは低下し、戦闘機生産を支えてきた中小下請け、孫請け企業が戦闘機製造から撤退する事態となっています。F-35Aの空自採用は、日本国内から戦闘機生産技術を奪うことになります。
表向きは今回の採用で、機体価格ベースで40%の日本国産化が認められていますが、現実には40機程度の生産にラインを立ち上げたところで採算など取れません。一部では、日本製のステルス戦闘機に期待しているようですが、残念ながら現時点では国産戦闘機は造れない状態になっているのです。仮に戦闘機を国産化するのであれば、F-35Aの生産参画の度合いを高める交渉をアメリカ側と進めなければなりません。
F-35は高いネットワーク戦能力を持っています。F-35同士の情報共有、AWACSや他の戦闘機、艦艇や地上管制システムとのデータリンクが可能ですが、空自はそうした能力を活かすことは進められていません。
アメリカ軍と自衛隊には戦闘機の数、任務など全く違っています。空自はアメリカ製の戦闘機を買うことは、アメリカに忠誠を誓うかのような錯覚があるようですが、それが国益に適うかどうかは無視されているように私は感じています。
さらに、空自にはシェルターが少なく、配備が予定されている三沢は数的には問題はありませんが、仮に有事が予想される事態となった場合、他の基地にF-35が展開できないという現実問題も出て来ます。現在、空自がシェルターを備えているのは、三沢、千歳、小松だけで、これ以外の基地でシェルターが整備されているとはいえない状態です。
新しいものだからと良し悪しを決めるつもりはありませんが、メリットとデメリットがあることを理解し、最良の選択を進めなければなりません。
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