元自衛官の憂い The third
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08042322 | [PR] |
01130845 | 木を見て森を見ず |
世の中が暗澹とすると世界洋の東西を問わず威勢の良い話と、ファシズムが歓迎されます。そに兆しはすでに出てきます。これにどう向き合うのかは我々にかかっていますが、こうした時機は誰も気が付かないという共通したものがあります。
習志野駐屯の第1空挺団が訓練降下始めを実施しました。
中谷防衛相が習志野で訓練を体験したとか記事になっていましたが、何かズレを感じています。
朝鮮半島では狂信的な専制国家が「核」を持っていて、日本がその標的の一つになっているというのに、政府/防衛省/自衛隊はまだ「離島奪還」を訴えている姿に木を見て森を見ていないように筆者は感じています。
イージス護衛艦、ペトリオットがあると言われるでしょう。しかし、どの時代、どの世界にも百発百中のものはありません。
仮に百発百中の銃があったとしましょう。誰が撃っても狙った所に弾は当たります。しかし、肝心なことは銃の予備の弾がどれだけあるかです。
ですが、我が国ではそれを確認しないまま、“あれがある”“これがある”と、安心しようとします。誰も疑問を口にしません。これこそが、福島第1原発事故後に訴えられた「安全神話」なのではないでしょうか。
たとえば、習志野の訓練では誇らしげにAH-64Dロングボーアパッチが登場しましたが、陸自には13機しかありません。通常、稼働率は60~70%ですので、実際に飛べるのは7~9機。この機数で離島奪還とは笑い話にもなりません。74式と10式戦車が出てきていましたが、これこそが自衛隊の無駄の典型です。共通するものが無く、二種類の戦車を持っていることの意味が理解できません。
でも、離島奪還に戦車をどうやって運ぶのでしょうか。
北鮮の核に備えはミサイルだけ。離島への備えは奪還だけ。それのどこに国民が何をすべきか、どうすべきかといったあるべき物が見当たりません、
専守防衛という我が国の国防戦略もそうです。専守防衛とは旧帝国陸軍の「本土決戦」そのものなのです。それを誰も説明しませんし、最悪なのは専守防衛を金科玉条のごとく扱うのは最悪です。
中には自衛隊を「世界のレスキュー隊」にすべきなどと世迷言を騙る記者までいます。
これこそが、現実に目を向けない我が国のメディアの現実です。
国防を担う政府/防衛省/自衛隊にも、それを監視するメディアにも現実を理解し直視していないのです。
これが2016年もまた続く証拠ですが、いつになったら目覚めるのでしょうか。
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