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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :07/23/20:51

06091315 空間識失調

F−35の墜落は、パイロットの空間識失調が原因だとして、既存のF−35の飛行再開が決まりました。




私はF−35のパイロットが空間識失調に陥り、墜落したということには絶対に納得しません。私が理解する空間識失調で墜落するのは、飛行経験の浅いパイロットであり、F−35が公表されている装備があれば空間識失調にはなり難いはずなのです。




私は当初、空間識失調を疑いました。夜間訓練であること、慣れない新型機であることなどから推測したのですが、徐々に状況が公表されてパイロットはベテランであったことやF−35の装備等を調べてみると、私の結論は空間識失調ではないというものでした。




空間識失調とは「バーティゴ」とも呼ばれ、実機を飛ばす前段階での座学から徹底して対応を教え込まれます。空間識失調に陥った場合は、「計器を信じろ」と簡単なのですが、経験が浅いと墜落することが頭をよぎりパニック状態になります。




空間識失調をわかりやすく言えば、“めまい”と同じだと考えていただいてかまいません。




地面に立っていると(二次元だと考えてください)めまいを感じても、左右がグラグラするだけで上下はわかりますよね。空中では三次元ですので、上下、傾き、奥行きの三つの感覚が狂ってしまう状態が空間識失調だと思ってください。




動物の生理機能は機械では真似できないほど精密です。平衡感覚は目で見る情報と、三半規管の情報で再確認されて脳が判断します。飛行中のパイロットは計器、目視による地平線や水平線の傾き、三半規管による身体的情報で自分の状態を把握します。




空間識失調はパイロットから、機体の傾き、昇降(上下)の状態を認識する機能を奪ってしまいます。パイロットには致命的状態です。




濃霧、曇天・雨天時の洋上等を飛行中に空間識失調になりやすいと言われています。比較対象するものが目に入らないと思ってください。医学的説明は厄介なので省略します。




皆さんも旅客機に乗った場合、擬似的な体験ができると思います。外が見えない状態で、旅客機がどのような状態か身体的感覚と全く違うと驚いたことないでしょうか?  それが、空間識失調と同質のものです。自分が操縦していないので、墜落することを想像することはないのでパニック状態になることはありません。




まれなものでは、洋上で雲ひとつない晴天下、高機動(対空戦闘)訓練等をしていると、海と空の区別がつかなくなることもあります。




空間識失調は経験で克服できるものではないので、今回の事故も可能性としてはあり得るものです。




ただ、私が疑問を感じるのは、F−35のパイロットは暗視装置付きの360度モニター可能なヘルメットを被っているはずです。つまり、正常に機能していればパイロットは水平線を目にすることができるのです。それにベテランパイロットですから、計器を確認して飛行姿勢を再確認可能なはずなのです。




空間識失調で海面に叩きつけられたような墜落をしたとなれば、パイロットが空間識失調に陥った時、偶然にもモニターの故障、計器の故障、両方が同時に起きたとしか考えられません。つまり、不幸な偶然が重なり、墜落したということになります。これだけで、空間識失調という結論に無理があることをご理解いただけると思います。




自衛隊、ことに空自パイロットになるべく勉学に励む諸君に言っておきたいことがあります。空で命を落とすのは、本望だと考える学生諸君が多いと聞いています。それは大きな間違いです。多くの予算を使ってもらい、パイロットとして活躍するのですから、パイロットは地上に無事に戻って来なければならないのです。パイロットの消耗が大きく影響を及ぼしたのが、先の戦争での日本海軍航空部隊でした。パイロットは飛行機を飛ばしてなんぼなのですから。




最後に…前に書きましたが、岩屋防衛相が自民党内から批判が出ています。くさい芝居です。この批判を外務大臣が擁護するというおかしな展開になっています。私は日韓関係修復にトランプ大統領の要請があったと見ており、まだ三文芝居説は捨てていません。




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