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元自衛官の憂い The third

軍事的色眼鏡で見る世界 軍人は究極の合理主義者です。 合理主義者であるが上に、「人道」を忘れたり、犠牲にしたりすることがあります。 軍人は行動は計画的、本心を隠す、混雑する場所を避ける、計画的な金銭感覚、意志が固い、職場での信頼を得やすい、そして最後に家庭では扱いがぞんざいにされるです。 家庭ではぞんざいに扱われながらも、軍事的色眼鏡で見てしまう元自衛官の雑感などを書いていきます。
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  • :09/08/17:15

03231436 自衛隊は苦役を課す場!

筆者が言っているのでありません。実はこれは昭和558月に政府が出した答弁書に書かれているものです。自民党鈴木善幸内閣の時のものです。

国政を担っている人(政治家・官僚)が、この程度の認識なのだと思うと辞めてよかったと実感させられます。


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これは日本社会党稲葉誠一衆院議員の徴兵制に関する答弁書です。徴兵制に関する自民党政府の公式見解です。

「一般に、徴兵制とは、国民をして兵役に服する義務を強制的に負わされる国民皆兵制度であって、軍隊を常設し、これに要する兵員を毎年徴収し、一定期間訓練して、新陳交代させ、戦時編制の要員として備えるものというと理解している。

 このような徴兵制度は、我が憲法の秩序の元では、社会の構成員が社会生活を営むについて、公共の福祉に照らし当然に負担すべきものとして社会的に認められるようなものでないのに、兵役といわれる役務の提供を義務として課されるという点にその本質があり、平時であると有事であるとを問わず、憲法第13条、第18条などの規定の趣旨からみて、許容されるものではないと考える」

政府の公式見解の指す憲法です。

日本国憲法

13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

徴兵制は「意に反する苦役」と解釈していることがわかります。調べると、以下のような答弁もあります。

昭和563月、自民党森清衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書です。

「政府は、徴兵制度によって一定の役務に強制的に従事させることが憲法第18条に規定する『奴隷的拘束』に当たるとは、毛頭考えていない。まして、現在の自衛隊員がその職務に従事することがこれに当たらないことはいうまでもない。(中略)

 現在の自衛隊員は、志願制により本人の自由意思に基づいて採用されるものであり、その職務に従事することが『その意に反する苦役』に当たらない事はいうまでもない」

徴兵制は個人的には反対です。しかし、徴兵制が犯罪による処罰と同じ苦役だというのは、国家として恥ずかしいと思えませんか?

昭和56年の答弁書では、「自衛隊員は苦役だけども志願制だから苦役ではない」から憲法違反ではないと言っているのです。

国民が国を守るのを「苦役」と言い切るのは、良識の問題です。ISなどが占領地から一般住民を連れ去り兵士に仕立て上げるのと、国家が国民を国防に当たらせるのと同義だという解釈は狂っているとしか言えません。

強制的に何かを課すのが苦役だとするならば、義務教育などは就学する希望を事前に調査し、希望がなければ義務教育を受けなくても済むのではないでしょうか。

徴兵制が必要か否かが問題の本質であって、徴兵制がいかなるものかで否定するのは浅はか過ぎる発想です。

こうした見解の相違が自衛隊に対する誤解を生み、震災以降、国民の理解を得られたと自衛隊は認識し、その傲慢さが昨今の問題行動が増えた理由ではないでしょうか。国民の厳しい批判があったからこそ、常に周囲の目を気にし、震災では大きな自己犠牲を隊員たちが発揮できた理由なのではないでしょうか。

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