元自衛官の憂い The third
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07301120 | [PR] |
10050912 | 虚構です! |
「水陸機動団」どこに行ったのでしょうか?
"オスプレイを買う!"や"AAV7を買う!"と陸自に海兵隊昨日を持たせる部隊「水陸機動団」を編制すると息巻いていた陸自ですが、ここへ来てとんと話が出なくなりました。
総火演が大人気を博していますが、何度も書きますが、そもそも本土決戦戦略の日本では、あのドンパチは日本の領土内で行われることを無視していないでしょうか。
確かに敵が領土内に侵攻してくれば、総火演のような陸自の砲迫火力が活躍してもらわなければならないのは理解できますが、それよりも前に敵侵攻部隊を着上陸阻止ができないか考えるのが妥当な防衛力整備だと思うのですが、筆者の私見など鼻にもかけてもらえないことでしょう。
ちなみにオスプレイは1機当たり100億円と見積もられていましたが、米政府が議会に提出した報告では、売却総額約3600億円となっており、当初見積もりの2倍になっています。空自F-15では当初調達価格は約70億円とされていましたが、最終的には101億5600万円となりました。
さらにオスプレイは、同盟国で導入を検討しているのは日本を加えてイスラエル、インド、カナダのみ。カナダは現在トライアルのためにボーイング社から2機が供与されています。アラブ首長国連邦は断念しています。
自衛隊が導入しても、整備費/運用コストはヘリどころの騒ぎではないのは明白でただの金食い虫になるのではないでしょうか。
売れ行きの悪いアメリカ製品を買って上げたいのもわからなくもありませんが、費用対効果を考えるのは政府といえどもやらなければならないことです。
突き詰めれば、航続距離が長い、速度があるとヘリと比較していますが、離島奪還に使うのが目的のようですが、敵が上陸して占領している離島にオスプレイが行くのは、船からなのか陸地(沖縄本島)からなのかもわかりません。護衛も付けずオスプレイで「大和の沖縄特攻」と同様の作戦でも考えているのでしょうか???
オスプレイはジェット戦闘機で護衛するには遅過ぎ、攻撃ヘリでは速過ぎます。占領された離島奪還に向かうとして、空自F-2による射爆撃で敵を無力化した後になるでしょうが、船からならヘリでいいはずです…オスプレイを導入する理由は対米顔色伺いなのは明らかです。
AAV7も同様ですが、笑ってしまったのはAAV7を陸自第4戦車大隊に配備していることです。
「戦車?」AAV7はどう見ても「装甲兵員輸送車」にしか見えません。それをなぜ「戦車大隊」が装備するのか理解できません。陸自は血迷っているようです。「兵員輸送車」として96式装輪装甲車がありますが、96式は「普通科連隊」に配備されています。変わったところでは第14旅団第14戦車中隊くらいなものです。これは、第14旅団第15普通科連隊が即応機動連隊化されるため、完熟訓練のためという大義名分があります。
戦術的にいえば、オスプレイ以上に導入する意味がわかりません。AAV7の水上最高速度は13km/h、かなり鈍足です。オスプレイが船上から運用される場合、航続距離があるため母船は陸地から離れて運用できますが、AAV7は海上発進では2海里が行動距離とされていますので、約3.7kmとなります。海岸から対戦車ミサイルの餌食になってしまいます。
もっと言えば、着上陸戦は守備兵力の最低でも3倍の兵力が必要といわれていますので、これまた「海上特攻」状態となります。
こうして見ると、ずさんな計画であることがわかりますが、ずさんな計画に大金を払うわけです。ずさん=国民の始名財産を守れるのか?ということを考えると、見過ごされていいはずはありません。
防衛省は国民/国会議員が知らないことをいいことに、このようなでたらめなことをしているのです。一部では、高級幹部というだけで有り難がって「閣下」などと呼ぶ人間もいますが、ちなみに「閣下」たちは皆さんの税金で生活してきたヒトなのです。そうした人間を「閣下」呼ばわりして有り難がる理由があるのでしょうか。
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