元自衛官の憂い The third
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07232052 | [PR] |
04101649 | F–35墜落 |
航空自衛隊の新型ステルス戦闘機F-35Aが墜落しました。搭乗していたパイロットの安否が気遣われす。
部外者ですので、事故は慎重に扱わなければなりません。しかし、私が持っていた航空自衛隊に対する〝疑問〟から敢えて取り上げます。
記憶の片隅にあるのですが、新型機が墜落する上を下への大騒ぎになります。所属する部隊の上級部隊に報告が速報されます。
今回は三沢の第3航空団ですので、北部航空方面隊、航空総隊、航空幕僚監部などに連絡されます。折り返し、航空幕僚監部装備部(現:装備計画部)長か飛行停止命令が出されます。
一方、部隊は捜索・救難活動が始められます。海上であれば海上自衛隊にも協力を求め、海上保安庁なども捜索に加わります。
今回、問題なのは機体がステルス機だということです。機密の塊であり、アメリカに対抗する国にとっては喉から手が出るほど欲しいものです。墜落周辺海域には、潜水艦が送られることも考えられます。〝潜水艦〟は大袈裟かもしれませんが…。
曇天で目印の無い夜間飛行、慣れない機体でパイロットはバーティゴに陥ったものと私は推測しています。バーティゴとは、日本語では「空間識失調」と呼ばれるものでベテラン・パイロットでも陥ることです。機体の姿勢、進行方向の状態が把握できなくなり、上下左右が完全に失ってしまいます。上昇しているのか下降しているのかさえわからないくなるのです。濃霧の中や夜間飛行で陥りやすいとされています。
バーティゴに陥ると、パイロットは自分の身体的感覚と計器の表示が違い、どちらが正しいのか激しい葛藤が生じます。座学で計器を信じるように徹底的に叩き込まれますが、座学では納得できても飛行中は簡単なことではありません。緊張感、疲労感、地上よりも空気が薄いために思考・判断が鈍り地上とは比べものにならないほどです。バーティゴに陥り、対応している間に墜落してしまったというのが今回の事故ではないかと私は考えています。
機によっては自動姿勢回復モードなど備えられていますが、F–35に搭載されているかはわかりません。お断りしておきますが、バーティゴはあくまでも可能性の一つです。本格運用が始まり、機体に何らかの不具合がある可能性もあります。
私は航空自衛隊がF–35部隊の編成に性急過ぎるのではないかと懸念しています。302飛行隊が百里から三沢に移駐し、装備がF–4からF–35となりました。首都圏防空を担う第7航空団はF–4装備の第301飛行隊のみとなっています。首都防空がこれでいいのか?
結果を出すために、部隊(現場)に負担を強いていると私は思います。
航空自衛隊はこれまでアメリカ空軍と同じ戦闘機を持つことを第一にしてきました。戦略、戦術よりも先に同じ戦闘機を持つのがステータスになっています。
ニュースを見ていて皮肉だと思ったことがあります。ステルス機がレーダーロストするとは、〝レーダーに映ってる〟わけです。IFFを発信しているのかもしれませんが、映っていないわけではないということです。
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